コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別#20Photo:PIXTA

これまでコピーライターやデザイナーが悩み苦しんで生み出したアイデアを基に成り立ってきた広告業界。その現場でChatGPTの活用が猛烈な勢いで進んでいる。特集『コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別』(全32回)の#20では、バナー広告やテレビCMの台本までChatGPTで自動化を進める電通デジタルや、営業現場で活用を進めるサイバーエージェントの事例を詳述しよう。実際に使われているプロンプトも紹介する。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

「週刊ダイヤモンド」2023年9月9日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

広告営業・制作業務の3割時短を目指すサイバーエージェント
海外拠点で既に2.6万時間を削減

 インターネット広告事業最大手のサイバーエージェント(CA)。4月に設置したChatGPTオペレーション変革室では、広告の営業・制作業務で月間にかかっている23万時間のうち、3割に相当する7万時間を削減する計画を進めている。

 広告営業には、リアルタイムで運用する組織が必要になるため、CAでは仙台、沖縄、ホーチミン、京都、グアムの5拠点で計1300人の担当者を抱えている。ベトナム拠点の現地社員は、日本語の資料を要約するためChatGPTを使用しており、既に2.6万時間分の削減に成功した。

 さらに、さまざまな広告媒体ごとに、性別や年齢層など対象者別に広告効果を分析して要約し、顧客企業に提出するレポートをChatGPTで作成するシステムが近く稼働する。社内業務の効率化策はさまざまな分野に及び、2024年3月までには目標を達成できる見込みだという。

 実際、クライアントの意向に従ってより効果的なキャッチコピーを考えたり、広告メッセージが伝わりやすいデザインやビジュアルを作成したり、といった従来であればコピーライターやデザイナーが時間をかけて行っていた仕事も、かなりの部分で自動化できるようになっているのだ。

 生成AIを活用した未来の広告の姿はどうなるのだろうか。次ページからは電通デジタルでのプロンプト(指示文)の使用例とあわせてみていこう。