やるべきことは、とにかく赤字事業をなくすことだ──。
パナソニックは3月28日、家電メーカーとしての事業戦略の大きな転換や、組織改革に踏み込んだ中期経営計画を発表した。
狙いは、これまで商品やサービスごとに88あったビジネスユニットを49に絞り、事業部としてそれぞれ営業利益率5%という生き残りの条件を課すことで、末端まで収益性を透明化。赤字事業は3年以内に「ゼロ」にすることだ。
Photo by Hiroyuki Oya
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そのプレゼンテーション資料には、一見すると、華々しい成長シナリオや目玉計画は見当たらない。むしろ冒頭から赤字事業への「止血策」にページが大きく割かれている。
いまだ問題あり、と名指しされた赤字事業は「テレビ」に加え、「携帯電話」「半導体」「回路基板」「光部品(ピックアップ等)」を加えた“赤字5兄弟”だ。
テレビ事業は、すでにプラズマテレビ工場と液晶パネル工場という、巨費を注いだ「二刀流」が破綻。昨年にプラズマテレビ工場を一部停止して、大坪文雄会長、中村邦夫相談役の時代から続いてきたプラズマ拡大路線を止めた。
しかし、それでも流通やパネル生産のコスト負担は重く、昨年度でも900億円弱の赤字を見込む。かつて世界を狙ったプラズマテレビも出荷台数は200万台前後で“風前の灯”といえる。
「当然、プラズマテレビの完全撤退が視野に入っている」(パナソニック関係者)