「“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「相手の話が間違っている時の対処法」を紹介します。
聞き上手の人は「相手に気持ちよく話してもらう」
アナウンサーは非常に多くの方にインタビューするため、一瞬にして相手に心を開いて話してもらう力を徹底的に鍛えます。私も著名人から一般の方まで、数多くの方のお話を伺ってきました。幼児から100歳近い方まで、年齢も職業もさまざまです。
相手が心を開いて話してくれるための鍵は、「聞き手が、相手にどれだけ寄り添えるか」。これは、常に相手の表情やしぐさを観察し、その時々の気持ちを想像して、相手が話しやすい状況を整える力です。
「話し上手は、聞き上手」という言葉がありますが、聞き方がうまい人とのコミュニケーションは、「楽しかった、また会いたい」と思わせてくれるものです。
話が間違っていても、すぐには指摘しない
たとえば、年号や日付、人名、地名、固有名詞など、誰でも勘違いや言い間違いはあるもの。間違いをどのタイミングで指摘すればいいかは、相手との関係性や場のほぐれ具合によって変わります。
会話の途中で相手の話に誤りがあった場合、基本的に、その場はスルー。その後、必要に応じて指摘するほうがいいでしょう。間違いを正すより、お互いの気持ちを循環させるほうが先決です。いちいち指摘すると、せっかく気持ちよく話している相手の気持ちにブレーキが掛かります。それよりも「この方にとっては、それが正しいのだ」と受け止め、テーマに沿った流れを止めないほうがいいでしょう。
ただしお互いの関係が深まっているときには、「もしかすると、それは〇〇じゃないでしょうか」「あ、それは〇〇かもしれません」などとサラッと指摘するようにしましょう。
私は、話の根幹に関わらない日付の間違いなどは、そのままにして会話を楽しむことが多いです。逆に、相手から、「違う、それは〇〇だったわよ」と指摘された時も、「そうだったかしら? そうかもね」とサラリと流すことが相手との会話の時間をよりよいものにできるコツだと思っています。
(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)