「月5万円×30年」で投資した場合の“驚きのシミュレーション”

安達 実際につみたて投資枠で1800万円を使い切る場合のシミュレーションを見せていただけますでしょうか。

【新NISAのギモン】50代からだと、さすがに遅いでしょうか?「月5万円×30年」で投資した場合の“驚きのシミュレーション”

中野 30歳から毎月5万円を積み立て続けると、年率6%の場合は60歳になった時点で5022万円になります。積み立てた金額は1800万円ですから、3000万円以上の運用益が発生しているわけです。

「老後2000万円問題」が話題になったこともありましたが、60歳で5000万円もの資産があったらとりあえず安心できますよね。

 平均リターンが年率6%というのは、まともに株式投資をしていれば、長期的には十分実現できる数字です。積立投資によって、何十年も先の資産状況まで大まかに予測できれば、いま現在の暮らしにも希望が持てますよね。

安達 30年間積み立てると、そんなに大きな額に膨らんでいくんですね。

中野 毎月5万円というのは決して安くはないですけど、一定以上の収入がある人だったら、できなくもない金額です。

 新NISAは運用益の非課税期間が無期限なので、最初は月1万円からスタートして、収入が増えたら月5万円に上げるなど、計画的かつ段階的なプランで投資することが可能です。

Q. 50代からだと、さすがに遅いですか?

安達 逆に、40~50代のミドル世代からだと、新NISAを始めるにはもう遅いでしょうか?

中野 そんなことはありません。むしろ大きなチャンスがあるので、いますぐ始めるべきですね。

 というのも、今後はキャリアが長期化していくので、70歳になっても仕事を続けている可能性が高く、いま50歳の人が今年からNISAを始めても、現役世代として20年も投資に取り組めるからです。20年も続けたら、立派な「長期投資家」です。

 また、新NISAでは、1年あたりの非課税枠が360万円もあります。なので、毎月30万円の大型積立をやれば、5年後には非課税投資枠の1800万円を使い切ることができます。いまからでも、あっという間にキャッチアップできるわけです。

 「人生100年時代」と呼ばれる時代ですから、健康に気をつければ年をとっても働けますし、働いている間は年金の受給開始を繰り下げておけば、年金もより多くもらえます。逆にいうと、「仕事嫌い」の人にとってはなかなか辛いかもしれませんね。

安達 確かにそうですね。金融教育も大事ですが、「働くことの意味」についても、国民1人ひとりが考えることが重要になってくる気がします。

中野 おっしゃる通りですね。いまの金融教育は、金利や株式市場の「仕組み」にフォーカスしすぎているきらいがあります。ですが、経済の本質は、みんなが働いて得た収入を個人消費に充てて、GDPを下支えすることにあります。

 なので、働くことの「社会的意義」を青臭く語り合う時間も、非常に大切だと思っています。

(本稿は、『新NISAはこの9本から選びなさい』の著者・中野晴啓氏へのインタビューをもとに構成しました)

【新NISAのギモン】50代からだと、さすがに遅いでしょうか?著:中野晴啓 定価:1650円(税込)