新日本酒紀行「富久錦」酒蔵外観 Photo by Yohko Yamamoto

酒は土地の風土と思いが造る!播磨の地産米純米酒蔵

 全国に先駆け1987年に純米酒宣言を行い、92年に全量純米化した富久錦。播州平野の田園地帯で、1839年に創業した。6代目の稲岡輝彦さんは、フランスのブドウ畑に囲まれたワイナリーを見て、地産米で醸す純米酒蔵へと方針を大転換。最盛期の1割以下に生産量を激減させた。

 2013年に8代目を継いだ息子の敬之さんは「売れる酒より、飲みたい酒を造りたい」と、古式醸造の生酛造りに注力。当初は重く渋い味だったが、醸造方法を試行錯誤し、軽やかで切れの良い酸味、滋味深さも併せ持つ味わいに。今や全体の4割が生酛造りだ。