すべての原因は睡眠不足にある
大体のことは眠れば解決する

 さて、タフな心を作るためにもう一つ重要なことをお伝えします。「寝ろ」です。とにかく寝ること。これは絶対に軽視してほしくないと思っています。

 筋肉に休息が必要なように、心にも休息が必要です。時にそれは映画を観たり、本を読んだり、旅に出たりといったいわゆるレクリエーションによって達成されることもあるでしょう(映画も本も旅も、レクリエーションの範疇を超えるものは存在します。レクリエーションの概念については後述します)。

 しかしそのレクリエーションも、基本的には十分な睡眠が取れたうえでするべきです。ここで、「8時間は眠りましょう」というようなことは言えません。当たり前ですが、人によって必要な睡眠時間には差があるからです。一日6時間眠れば十分な人もいれば、8時間寝ても少し足りない、という人もいます。

 社会に出ると、本当にたくさんの人と関わります。不機嫌な人は、大体睡眠不足です。これは結構本当です。自分のことを振り返っても、やはりミスをしたり、人に強く当たってしまったりしたのは大体睡眠不足の時でした。経験を積めば積むほど、十分な睡眠を取ることの重要性に気づくのです。

 そうは言っても、与えられるミッションが過剰で、それを勤務時間内にこなせるスキルなど到底持ち合わせておらず、必然的に睡眠不足に陥っていく、ということはままあります。どう工夫しても十分な睡眠時間が取れず、苛立ち、ミスが増え、また苛立って……。そんな負のループに陥ることもいくらだってあります。その時はこう考えましょう。

「すべての原因は睡眠不足にある」。

 大体のことは眠れば解決します。なので、安心して睡眠不足を乗りこなしてください。いつかぐっすり眠れるタイミングが来れば、目の前の様々なこと、特に自分の能力に起因して起こっていると思われる諸々の不具合は起こらなくなります。原因は明確に睡眠不足なのです。寝れば解決する、と思えば、しばらく眠らなくても大丈夫です。逆説的ではありますが。