ミニチュアのビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

「なんだかぼんやりしている」ように見える人が出世し、優秀で鋭い人が登用されない――そんな不条理を嘆く人がいる。鋭い人は疎まれ、やっかみを受けやすいからだと思われがちだが、実は“ぼんやり顔”の人が発揮しているスキルこそが、出世を後押ししているといえる。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

鋭い人は「上を脅かす」から
出世できない説は本当か?

「なぜこの人が出世するのだろう?」と思ったことが、誰しもあるのではないだろうか。

 取り立てて優秀とはいえず、どちらかといえばぼんやりしているように見えるのに、あれよという間に大きな組織のリーダーに登用され、実績を上げて、いつの間にか押しも押されもされぬトップリーダーになっている人がいる。

 一方で、言動の端々に才気がほとばしり、誰から見ても優秀だと思われている人が、なかなか出世しないということもよくある。

 このような話をすると、「日本の組織では、当たり障りなく仕事をしている人の方が登用されやすい」「鋭い人はリーダーを脅かすおそれを感じさせ、疎まれる」「優秀な人ほど、やっかみを受けやすく、足をすくわれる」からだという見解に接する。

 減点主義の社会では、優秀であることよりも、気に入られるかどうか、抵抗感を与えないかが大事である。だから、“ぼんやり顔”の人がトントン拍子で出世し、鋭くて優秀な人が脱落する、という見方だ。

 しかし私は、ぼんやり顔の人こそが発揮できている「ある言動スキル」が、出世を後押ししていると考える。それは、職位が上がれば上がるほど、必要なスキルだ。このスキルを発揮すれば、従来の素質にかかわらず、誰でも、出世の階段を上ることができるはずだ。