2024年1月から、NISAの非課税期間が無期限となりました。今後、生涯にわたってNISAを運用し、その資産を親族が相続する、そういったケースが増えるかもしれません。そんな中、「故人のNISAはどうなるのか?」という質問も増えています。(社会保険労務士 井戸美枝)
故人のNISA、どうすればいい?
故人のNISAはどうなるのか――。結論から言うと、亡くなった人のNISAの資産は、相続人の通常の口座(特定口座・一般口座)に移されます。相続人のNISA口座に移すことはできません。
また、相続後に売却して得た利益は、課税の対象となります。ここで注意したいのが、その売却益の計算方法は、NISAと通常の口座で異なるということ。
詳しくは後述しますが、NISAでは「故人の死亡日の価格」、一方で課税口座では「故人が取得した価格」を基に計算されます。
本稿では、NISAを含めた株式・投資信託の相続の手続き、あわせてその注意点をご紹介します。