仕事ができるかどうかは、会食・食事会・イベントにおける「気づかい力」でわかる――
「本業とは一見関係のない仕事」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが雑務…」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな”貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、”広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から「タクシー手配の気配り」について紹介しよう――。

<間違えると恥>【タクシーの上座・下座】を軽視すると痛い目を見る超根本的な要因<会食猛者が教える>Photo: Adobe Stock

「タクシーの上座・下座」は最低限覚えておこう

事前に一次会で解散だとわかっている場合は、手土産・プレゼントを渡す前のタイミングで店側にタクシーの配車依頼をしておこう。細やかな配慮として、私はいつも日本交通のタクシーの配車依頼をするようにしている。業界最大手だけあり、サービスの質が極めて高い印象がある。特に関西において人気のMKタクシーもお薦めできる。

会食の場で判断した結果一次会で解散となった場合は、下見で調べておいたタクシー乗り場までご案内しよう。いずれの場合においても、タクシーチケットがある場合は渡すことを忘れないように。

なお、通常タクシーの上座は「運転手の真後ろの座席」。続いて、助手席の後ろの座席、後部座席の真ん中、助手席と続く。

せっかくここまで完璧な仕切りをしたのに、こういった知識で減点されるのは悔しかろう。最低限覚えておくに越したことはない。

あえて上座に座ったほうがいいケースもある

帰りの方向が同じ場合はゲストに同乗して、タクシーで送る場合もあるだろう。その際は自らすすんでタクシーの奥の席に座ることをお勧めしたい。

前述の通り一般的には、「奥の席」つまり運転手の真後ろの席が上座になるのだが、私はあえて奥の席に座るようにしている。

これには、表層的なマナーにとらわれないある理由がある。それは、奥の席に座ることで、「ゲストを先に下ろし、後で支払いを済ませる」ことができるということだ。

実際、タクシー代を自社で持つ場合、先に降りるのはゲストになる。そのときに、一回自分が降りてその後ゲストが降りて…という順番だと、スマートではない。決して広いとは言えない社内で長く過ごさせるよりも、外で待ちたいゲストもいるだろう。

乗車前に一言「上座になってしまいますが、支払いもあるので先に降りやすいように私が奥のほうに入っておきます!」と添えておくのがいいだろう。