現場では臨機応変な対応のほうが大切

以上より私は、ゲストに余計な気を使わせないためにも「手前よりも奥の席が適切」だと考えている。

ただしこれもケースバイケースで、たとえば雨が降っている場合には先にゲストが先にタクシーに乗車できるよう、奥の席に座っていただくのも手である。また、タクシーの種類によっては「助手席の後ろ」で決済のできるタイプのものも登場してきている。その際は自ら助手席の後ろに座るのが良いだろう。

「上座・下座」の知識は確かに重要である。本記事のような対応を「上座・下座が本来どうあるかを理解して」行うのと、知らずにやるのとでは振る舞いに差が出てしまうのは事実だ。

しかしそれよりも重要なのは、一律にこれとルールを決めるのではなく、ゲストにとってどうするのがいいかを考えて臨機応変に対応することだ。
ゲストがタクシーに乗った後は、車が視界から消えるまで頭を下げ、しっかりとお見送りをしよう。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)