負担は増えるが、健康保険は適用
何百万円も請求されるわけではない
このように、公的支援がなくなる4月以降は、COVID-19で重症化した場合の医療費は、これまでよりも通院で5000~2万円程度、入院で1万円程度高くなる。
負担が増えるのはうれしいことではないが、健康保険が適用されるので、いきなり何百万円も医療費が請求されるというわけではない。通院も、入院も、その他の病気やケガと同様に負担になるだけで、ある程度の貯蓄があれば賄える金額だろう。公的支援がなくなるからといって、慌てて民間の医療保険を増額するようなことは避けたいことだ。
医療費支援が終了するということは、それだけCOVID-19による死亡率が減少していることの表れで、その役目を終えたといえる。すでに、街はコロナ禍などなかったように動いており、COVID-19の医療費支援が終了することなど、気にも留めない人が大半だろう。
だが、コロナ禍であぶり出された病床の問題など医療制度の矛盾、貧困世帯の窮状などは改善されていない。コロナ禍によって苦しい生活を強いられ、いまだ元通りの生活に戻れていない人もいる。パンデミックの特別対応が一段落した今、国や地方自治体には、コロナ禍で得た教訓を糧に、より良い社会保障制度への転換を期待したい。