2024年4月以降は通常運用に
年齢や所得に応じた自己負担割合
(3)2024年4月1日~
・公費負担は完全終了し、通常の医療体制に移行する
・窓口では、年齢や所得に応じて決められている自己負担割合を支払う
病院や診療所の窓口では、年齢や所得に応じて、かかった医療費の1~3割を自己負担することになっている。2024年4月以降は、COVID-19の治療にかかった医療費も、その他の病気やケガの治療と同様に、あらかじめ決められた自己負担割合に沿って負担していくことになる。
入院して医療費が一定額を超えた場合に適用される高額療養費も、COVID-19への特別対応はなくなり、年齢や所得に応じた限度額を自己負担することになる。
2024年4月以降は、COVID-19の治療に対する公的支援はなくなるので、健康保険法で決められている自己負担割合に沿って、かかった医療費の一部を負担していくことになる。ただし、COVID-19の重症化予防薬は、今はまだ高額な水準にある。
現在、健康保険が適用されているCOVID-19の重症化防止薬は、ラゲブリオカプセル20mg、パキロビッドパック600/300、ゾコーバ錠125mgなどだが、いずれも承認から間もない医薬品なので、インフルエンザの治療薬などと比べると高額だ。
たとえば、ラゲブリオカプセル200mgは、1カプセル当たりの薬価が2357.8円(2024年2月現在)。18歳以上の人の標準的な治療は、1回4カプセルを1日2回、5日間服用するので、薬剤費の合計は9万4312円になる。COVID-19の特別措置がなくなる4月以降は、薬剤費だけでも、1割負担で約9430円、2割負担で約1万8860円、3割負担で約2万8290円になる。
実際の治療には、薬剤費のほかに、初診料、検査料、その他の処置費などもかかる。そのため、厚生労働省の試算では、1回当たりの治療にかかる患者の自己負担額は、1割負担で8000~1万520円、2割負担で1万8000円、3割負担で3万1570円になる見込みだ。
入院して人工心肺装置を装着したり、陰圧室を利用して、医療費が数百万円単位になった場合は、健康保険の高額療養費が適用されるが、こちらも公的支援はなく、通常の通りの負担となる。
たとえば、COVID-19の治療で入院して300万円かかった場合、70歳未満で、年収500万円の人の自己負担限度額は、【8万100円+(300万円-26万7000円)×1%=10万7430円】だ。