薬はあくまでも症状を和らげる対症療法で根本的な治療にはなっていません。さらに、薬の長期服用は副作用のほか、体の慣れでだんだんと効き目が悪くなる可能性もあります。そうなると、さらに強い薬が処方され、副作用の影響も強まります。

 また、高血圧の根本的な原因を知らないまま降圧薬を飲んでいれば、結果的に重大な病気の進行を見逃す可能性のリスクも上がってきます。

 急性疾患を除いて、薬では慢性的な病気を根本的に治すことはできません。症状の緩和、原因となる菌を抑える、抵抗力の向上など、対症療法が薬の主な役割です。長期服用は副作用のリスクも高めます。

脳梗塞や体に変調をきたす原因に
薬で血圧を下げると危険な理由

 薬での降圧が脳梗塞のリスクを高めるという研究結果も出ています。

 東海大学医学部の大櫛陽一教授らが約4万人の脳卒中患者と一般の人を対象に、脳卒中の症例別の比較研究を行いました。その結果、降圧治療中の人は高血圧で未治療の人と比べ、脳梗塞の発生率が約2倍高いということがわかりました。

 脳梗塞は、脳の血管に血栓(血の塊)が詰まって引き起こされる病気です。通常、血栓ができて血管が詰まりかけると、心臓はポンプ機能を上げて血栓を押し流そうとします。しかし、血流が弱いと詰まった血栓を押し流すことができません。血流を弱めて血管にかかる圧力を強制的に下げる降圧薬の服用は、脳梗塞になるリスクを上げてしまうのです。