「ひとりっ子=競争心が育ちづらい」は真っ赤なウソ!親が守るべき鉄則は?写真はイメージです Photo:PIXTA

「ひとりっ子には、特別な長所がある」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本記事では子育て世代で話題沸騰中の新刊『「強み」を生み出す育て方』に掲載しきれなかった原稿を独占公開。25年間の塾経営でたどり着いた【ひとりっ子の伸ばし方】をお届けする。

ひとりっ子=競争心が育ちにくい→ウソ!

 ひとりっ子が増えています。2015年のデータでは子どもの約20%、5人に1人がひとりっ子です。

 ひとりっ子はきょうだいとの物の取り合いや競い合いがないため「競争心が育ちにくい」とよく言われがちです。たしかに、他者に対する競争心は控えめな傾向がありますが、自分に対する競争心は人一倍強い子が多いのです。

 その理由は、親の愛情を100%、一身に受けて育っているからです。「自分が一番」という(根拠のない)自信が大きく、プライドが高いのが特徴です。

 ひとりっ子の育て方で注意すべきが、幼稚園・保育園や小学校などの集団社会に参加する時です。

 それまでは「自分が一番」と思っていたのに、集団社会に参加すると負けや失敗を経験します。鉄棒が上手にできなかったり、かけっこでビリになったり、楽器が下手だったり、テストで悪い点を取ったりという「挫折」を誰もが経験します。

 ひとりっ子の親は、子どもが負けや挫折を経験した時の「対応」に配慮してください。「負けっぱなしにしない」ことが重要です。

 親が何の対策もせず、放っておくと「失敗を恐れて行動しない」「負けたくないからチャレンジしない」という消極性につながることがあるので注意しましょう。

 子どもが負けや失敗を経験したら、「くやしい気持ち」をバネに飛躍する方法(こっそり練習して技能を高めるなど)を教えてあげましょう。

 ひとりっ子は「負けたら人一倍くやしい」のです。これは、紛れもない長所です。

 この気持ちを「自己研鑽」に向けられるよう導いてあげましょう。実際に、次には勝てるようにサポートしてあげるのです。

「自分の意思で努力して取り組んだことがうまくいく」という成功体験は、子どもの自信を回復させ、向上心を高めてくれます

 一人っ子の競争心を育てるには、親がサポートして「できるようにしてあげること」を忘れないでください。

 家庭では、親が子どもの「真剣勝負」の相手になってあげましょう

 トランプやカードケーム、スポーツや楽器演奏など、どれも最初は親の方が上手でも、子どもは「負けず嫌いの精神」を発揮して自主練習を重ね、すぐに上達していきます。いつの間にか子どもの方が上手くなっていることも多いのです。

 子どもと競争する時は「手を抜かない」のが基本です。親も本気で子どもに向き合いましょう。

「ひとりっ子=競争心が育ちづらい」は真っ赤なウソ!親が守るべき鉄則は?ピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

「ひとりっ子=競争心が育ちづらい」は真っ赤なウソ!親が守るべき鉄則は?「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。

 そこで「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!