男性とメンタルヘルスに対する偏見

 勇敢さは、場合によっては無意味なこともあります…ですが、コメディアンであり放送作家でもあるアンヘル・マルティン(Ángel Martín)氏が2021年11日に公開されたスペイン版エスクァイアでのインタビューの中で、自身が重度の精神障害によって精神病院で数日間ベッドに縛りつけられていた際に、「不可思議な状態へと陥ったこと」「宇宙船に乗った」とまで告白した際の度胸のよさは誰も否定できないでしょう。

 間違いなく彼はプロとして絶頂期にあり、しかも男性として、「思考が狂い、正気を失っていた」と、歯に絹を着せぬ表現でこの問題を提起したのです。メンタルヘルス自体がタブー視されている場合、特に男性となると社会的スティグマ(汚名、偏見)は倍増するはずです。

 サニータスでアドバイザーを務める心理学者ダイアナ・カミン(Diana Camín)氏は。この社会では男性は常に強く自立していなければならず、どんな挫折も自分で解決できるはずだという固定概念に囚われていると指摘しています。

「そのため、弱いとみなされることを恐れて、心理的援助を求めることに抵抗を感じる男性もいます。加えて、一般的に男性は自分の感情を表現することを苦手とする傾向があり、威厳や無事を装うことが多いのです」と言います。

男性のメンタルヘルス:危険信号にはどんなものがあるか?

 自分は健康・健全だからこんなことは起こらないと思っていませんか? 気をつけてください。スペイン精神衛生連盟とムトゥア・マドリレーニャ財団によるスペインの精神衛生状況調査によると、スペイン人の26.2%がメンタルヘルスの専門家にかかり、18.9%が向精神薬を服用しています。だからこそ、何かがおかしい場合に現れる症状を見逃さない方法を知っておくべきなのです。「精神的な問題を抱える危険性があるとき、私たちの身体は気分の変化(とても悲しい状態から、理由のない多幸感まで)、行動の変化(以前は好きだった活動を楽しめなくなる)、食事の変化(食事への不安や食欲の減退)、睡眠障害や集中力の低下、身体的な痛み(筋肉の不快感、疲労感、頭痛など)を感じるのです」とカミン氏は説明します。