「仕事ができない人」の残念な習慣、ワースト1
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。

「仕事ができない人」の残念な習慣、ワースト1Photo: Adobe Stock

「仕事ができない人」の残念な習慣

 アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズは、「自尊心とは、願望と成功の比で決まる」と述べています。成功体験が積み重なるほどに、自尊心も増大します。自尊心が増大すると、挑戦を恐れなくなります。 そして挑戦を繰り返せば、当然、成功率も上がっていきます。

 ところで、スピード重視の現代社会では挑戦すること自体のハードルが上がっているようです。手っ取り早く成果を出さなければ淘汰されかねず、たった一度の失敗でも致命的なダメージとなりかねません。

「わからないので教えてください」が言えない

 さて、私が国立精神病院で働いていた時の話です。勉強に不安を抱えていたり、試験に何度も失敗している研修医たちの面倒を見ていたのですが、その中のひとりが暗い顔をして私のもとをたずねてきました。三度も落第しているこの学生が差し出した診察記録を見て、私は息を呑みました。誰の目にも支離滅裂なのです。もっと早い段階で先輩にでも見せてアドバイスを仰いでいれば、三度も落ちずに済んだはずです。

 とてもやるせない気持ちになり、なぜこんなことになったのかと問うと、「わからないので教えてください」と先輩たちに言い出せなかったと言います。そんなことを言えば、仕事ができない人間のように思われそうで怖かったのだと。それで自分ひとりで解決しようと努力したが、仕事が遅い上、結果も芳しくなかったのだと。

 さて、この研修医はどうすればよかったのでしょう。