人工知能(AI)に欠かせないデータセンターが消費する電力は増加の一途をたどっているため、送電網はいずれ対応できなくなるとの懸念が強まっている。だが、AIには住宅や商業ビルの光熱費を少しでも減らす方法を見つけるという用途もあり、こうした地味な役割が状況を緩和するかもしれない。AIはがんの診断方法から広告の作成方法に至るまであらゆるものを変える可能性を秘めていると業界のリーダーは考えている。ただ、膨大な量のデータを使ってAIモデルを訓練するには、大量の電力が必要になる。国際エネルギー機関(IEA)によると、チャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」が簡単な質問を処理するのに使う電力は、普通にグーグル検索をする場合の10倍近くに達する。英半導体設計大手アームの最高経営責任者(CEO)は最近、エネルギー効率が改善しなければ、2030年までにAIデータセンターは全米の電力需要の最大25%を占める可能性があると警告した。現在の割合は4%程度だという。
エネルギー大量消費のAI、省エネの未来も担う
AIの普及に伴いデータセンターの電力消費量が急増する一方、住宅や商業ビルはAIの利用で節電が期待できる
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