「口臭い人にやんわりと『臭いよ』って言うにはどうする?」で出てきた秀逸すぎる回答は…。
そう語るのは、毎日欠かさず大喜利のお題を出題してきた「坊主」氏だ。いまや空前の「大喜利ブーム」。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について、世界で初めて思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どうすれば面白い発想が出てくるのか」「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)
「大喜利脳」を手に入れよう
「大喜利は才能のある人がやることだ……」
まず、その思い込みをなくしましょう。
「大喜利脳」になるためには、準備が必要です。
「紙」と「ペン」。あとは、ちょっとした考え方。
それだけです(スマホのメモでもいいですが、スマホを触ると、ついどうでもいい動画を見はじめちゃいますからね)。
どんなに会話が苦手な人でも、「しりとりしましょう」と言ったら、言葉がスルスルと出てきます。
それと同じ要領で、あなたの脳内を大喜利モードに切り替えましょう。
「英語の言い換え」を使え
英語の言い換えによる例を見ておきましょう。
〈お題〉
「口臭い人にやんわりと『臭いよ』って言うにはどうする?」選手権
〈最優秀賞〉
There is an issue.
※「issue=問題」と「異臭=イシュー」
謎かけと同じシステムですね。
「issue」と「異臭」が同じ読み方でありつつ、「問題があります」という英語でそれを伝えている。秀逸な回答です。
「issue」と「異臭」が同じ音であることを知っているかどうかがカギです。
こういう表現は日頃から集めておきましょう。
ネタを「ストック」しよう
どんな人にも、これまでの人生で触れてきたものの蓄積があります。
「あの状況は私にとって面白かった」
「このフレーズがよく出てくる」
など、その人特有のクセがあります。
それをアドリブに対して「ストック」と呼びましょう。
自分が面白いと思うことを普段から考えておき、それをお題に合わせて出すやり方です。
一般の人でもできるのは、「ストック」のほうでしょう。
ここで大事なのは、
「素人にスピードは必要ない」
ということです。心に刻んでおいてください。
私たち一般人は、紙を広げて、時間をかけて、じっくりと取り組んでみればいいんです。
芸人さんのような瞬発力は、いりません。
そして、一度でも捻り出されたアイデアや発想は、その後、頭の中の引き出しの手前に置かれて、いつでも引き出せるようになります。
その習慣をつくってほしいのです。
そうして習慣化した先に「大喜利脳」という状態ができあがります。
大喜利脳の状態では、お題が出されていなくても、日常の会話を勝手に脳内でお題に変換し、いい回答を捻り出そうとします。
いわば、大喜利のランナーズハイ状態ですね。
そこに至ると、ちょっとした日常会話やビジネストークでも、秀逸な返しができるようになります。
(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。