丼ものは、1杯で塩分が5~6gくらい入っている場合が多いでしょう。食べた後に水が飲みたくなるのは、血液の塩分濃度が上がっている証拠。できれば、丼ものや混ぜご飯は避け、定食などを選択するほうがいいでしょう。カップ麺も1個に5~6g入っていて、汁を残したとしてもその半分以上の塩分をとってしまいます。
朝に食べることが多い食パンも注意が必要です。6枚切り1枚に塩分が1g近く入っているので、2枚食べると2g近くになります。食べ過ぎないように注意しましょう。
腎機能が低下していなければ、カリウムをとるのも有効です。カリウムにはナトリウムを排出する作用があります。果物や生野菜に多く含まれているので、暑い季節にはとりやすい栄養素です。ただし、カリウムは水に溶ける性質があり、野菜をゆでたりすると流れ出てしまうので注意しましょう。
フレッシュな野菜を食べるのが難しいときは、トマトジュースなどでカリウムを補給するのもお勧めです。フルーツジュースにもカリウムは含まれますが、果糖が多いので注意が必要です。果糖は体内ですぐに中性脂肪に変わり、内臓脂肪を増やしてしまいます。
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野口 緑 著
Bさんの場合、HbA1cや肝機能の数値は、極端に高いわけではありません。しかし、このまま何の対策も取らずに放置すると、血圧とともにHbA1cもじわじわと上がり続け、50代後半には心電図にも異常が出てくる(つまり、心筋梗塞や狭心症が疑われる状態になる)可能性も否めません。今の段階で適切な対策をとることが重要です。
【このケースからわかること】
・腹囲の増加、すなわち内臓脂肪の蓄積によって血圧は上がる。
・うまく血圧を下げるには自分の「高血圧のタイプ」を知ること。
・内臓脂肪の増加とともに血圧が高くなってきたタイプは「減塩」が有効。
・内臓脂肪が多くて高血圧の人は、内臓脂肪を減らす努力をすることで減塩もできる。