じれったさはあるかもしれませんが、派手なニュースに惑わされることなく、しっかりと投資先を複数に分散できる投資信託を活用してコツコツ積み立てましょう。
意外な落とし穴?
手数料にも目を光らせる
将来のことは誰にもわかりません。しかし、投資を始める前から確実にわかることがあります。それは手数料です。
この投資信託を買う時にいくら手数料がかかるのか(買付手数料)、保有している間にどれだけ手数料がかかるのか(信託報酬)、売る時にどれくらい手数料がかかるのか(信託財産留保額)。今は法律上、事前に全ての手数料は開示しなければいけなくなっています。手数料は投資をする際には確実にかかってくるものですから、リターンに対してマイナスな要素である手数料を極力払わないようにするといった意識を持っておくことも重要です。
もちろん手数料だけが商品を選ぶ際のポイントではありませんが、買付手数料がかからないノーロードと呼ばれる投資信託で、かつ信託報酬が低く、信託財産留保額がかからないものを優先して選びたいものです。
森永康平 著
また、最近は投資信託の中でも、レバレッジがかかっているものが証券会社のランキングで上位にくる傾向があります。レバレッジとは、「てこの原理」の「てこ」からきている言葉で、少しのお金でその数倍の投資をすることによって、投資成績を増幅させる仕組みのことを言います。このレバレッジ投資信託が人気の理由は、ひと言で言えば一瞬で多額の利益を出せる可能性があることでしょう。
たとえば、1日で5%日経平均株価が上昇した日に、「日本株4・3倍ブル」という投資信託を買っておけば、1日で約22%も投資資産が増えるのです。しかし、気を付けなければいけないのは、その逆も起こり得るということです。そして、これらのレバレッジ投資信託は商品の性質上、保有期間が長くなれば長くなるほど減価していくので、長期保有には適しません。
投資をはじめたばかりの人には縁遠い商品だと私は考えます。