2007年に、息子の雄太さんが父の思いを継いで5代目に就任したが、11年の東日本大震災で、15棟あった蔵の8棟が全壊。蔵人も被災し、雄太さんは自ら杜氏になると決意。県の清酒アカデミーに通い、酒蔵を巡り、高い酒質を目指して蔵を再建した。改善を繰り返し、16年に県開発の酒米、夢の香で、清らかな甘味と酸味が調和する「楽器正宗」を世に送り出す。国内外の日本酒評価会で上位に受賞し、高評価を受けて人気酒に。雄太さんは休耕田の復活にも尽力し、6反の圃場で夢の香を育む。また「酵母ではなく、原料から香りを表現したい」と、低グルテリン米やホップを加えた酒にも挑戦。料理酒も環境保全型の夢の香を使ってプレミアム版を開発した。自然を守り、醸造文化を次世代へと、さらなるおいしさを目指す。

新日本酒紀行「こんにちは 料理酒」こんにちは PREMIUM料理酒
●大木代吉本店・福島県西白河郡矢吹町本町9●代表銘柄:こんにちは 料理酒、自然郷、楽器正宗●杜氏:大木雄太●主要な米の品種:夢の香、山田錦、酒未来、愛山、雄町
新日本酒紀行「こんにちは 料理酒」古い梁や柱を生かしたおしゃれな売店 Photo by Y.Y.
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