退職金の受け取り方で手取りが変わるの?

 退職金の受け取り方には、一時金と年金の2つがあります。一時金の場合は、シンプルに一括で受け取れるわけですが、金額も大きいだけに気になるのは所得税や住民税など税金のこと。退職金の場合、給与と違って「退職所得控除」が利用できます。この控除額は、勤続年数によって変わってきます。勤続20年以下の場合は1年につき40万円、勤続20年超の部分は1年につき70万円ずつ増加します。退職所得控除が退職金よりも多い場合は、税金がかかりません。

 一方、年金で退職金を受け取る場合、10年、15年など一定の年数をかけて、少しずつ退職金を受け取ることができます。この場合、受け取っていない部分は一定の利率で会社が運用してくれるため、受け取る総額としては年金のほうが高くなります。ただし、年金で受け取ると、退職所得ではなく雑所得となるため、「退職所得控除」を利用することができません。毎年の公的年金などの収入を合算した額から「公的年金等控除」を差し引いた所得から税金を計算することになり、一時金の場合にはかからなかった社会保険料も発生します。所得が多くなるほど、税金や社会保険料がかかってくるので、ケースバイケースとはいえ、手取りベースで考えると、一時金でもらったほうが多くなるといえるでしょう。

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【10秒チェック!】一時金でもらうと税金や社会保険料面からメリットがあります。一時金と年金を併用できる場合もあるので、退職金の目安額や受取方法については、事前に就業規則(退職金規程など)でチェックしましょう。