企業の顧問社労士として、数多くの労務問題を解決してきたカタリーナ。オンラインのよろず労務相談には、経営者・労働者を問わず、さまざまな相談者が訪れる。本日の相談者は、大手情報サービス会社に勤務するプログラマーの男性(38)。副業先で思いもよらぬ打診を受けて戸惑っているというが……。
副業を推進する勤務先、どこまでOK?
カタリーナ 「こんにちは!社労士のカタリーナです。平居真さんね。今日はどんなご相談かしら?」
平居 「副業先のことでちょっと。うちの会社は副業を推進していることもあって、自分も昨年から友人が立ち上げたベンチャー企業でアプリ開発の仕事を手伝っているんです。これがなかなか楽しくて」
カタリーナ 「あら、素敵」
平居 「まだ小さな会社ですが、ビジネスも順調だし、仲間もいい奴ばかりだし。たまたま家の近くにオフィスを借りているので、しょっちゅう顔を出しているんですよ」
カタリーナ 「そう。で、副業先で何かあったの?」
平居 「実は、社長から代表を引き継いでくれないかと打診されたんです。社長といっても大学時代からの気心の知れた友人です。家庭の事情があって、どうしても続けられないそうで。ただ、いくら小さな会社とはいえ、副業で社長っていうのもねぇ。うちの会社がOKしてくれるかどうか……」
カタリーナ 「たまにいるわよ。正社員として働きながら、ベンチャー企業を立ち上げる人も。ただ、経営となるとこれまでとは違うスキルが求められるし、慎重になる気持ちはよく分かるわ」
平居 「今は業務委託としてやっていますが、もし代表を引き受けたら、会社に副業先での収入とかバレちゃいませんか? 社会保険は今の会社で入っているからいいとしても…」
カタリーナ 「ちょっと待って!もし代表に就任する場合は、副業先でも社会保険に入らないといけないわ」
平居 「えっ、どういうことですか?」