巨大投資会社が金融システムを席巻しつつある。その運用資産は今や、多くの大国の経済規模に匹敵する。新たな事業分野に進出し、ウォール街での業務主体・内容の境界線を曖昧にすることで、かつて支配的だった銀行を脇へ追いやっている。現在、伝統的・オルタナティブ資産運用会社は米銀の2倍の資産を運用しており、米経済の財布のひもに対する支配力を強めている。ブラックストーン、フランクリン・テンプルトン、ブラックロック、KKRなどの資産運用会社は一挙に複雑化・類似化している。これによって市場がこれまで遭遇したことのないリスクが生じると、投資家らは指摘している。運用会社の幹部らによると、このような著しい拡大はまだ初期段階にある。それは各社にとって朗報だ。急激な成長は、特にプライベート投資、すなわち「オルタナティブ」投資で各社に巨額の富をもたらすからだ。米経済誌フォーブスのデータによると、プライベートエクイティ(PE)業界は近年、他のどの業界よりも多くの億万長者を生み出している。