香港株式市場はかつて、新規上場に伴う資金調達額が世界トップの市場だった。今は違う。ディールロジックによると、ほんの数年前の2019年には1位だったが、23年にはトップ5に入ることさえできなかった。だが、香港株式相場は今週6%高となり、今年最高のパフォーマンスを見せている。これは規制見直し案の発表を受けたもので、特に、中国証券当局がより多くの中国大手企業による香港上場を許可する可能性を示唆したことが好感された。これは歓迎すべきニュースだが、病人を救うには不十分だろう。低迷する香港の銀行セクターが回復を続けるには、中国株全般に対する投資家心理が大きく転換する必要がまだある。中国の証券当局は先週、香港金融市場の支援策として五つの措置を発表した。市場全体を押し上げるほどではないにせよ、中国本土からの資金流入を後押しする措置もあった。例えば、本土と香港の株式相互取引「ストックコネクト」を通じて本土投資家が購入できる商品の範囲が拡大される。