人工知能(AI)の需要急拡大に対応するためにデータセンターを建設する動きが過熱した結果、必要となる設備や土地・電力に不足が生じている。データセンター会社の幹部らによると、仕様に合わせた冷却装置が納入されるまでのリードタイムは数年前の5倍に延びている。非常用発電機の納期は、以前は1カ月のこともあったが、足元では2年になることもある。十分な電力とデータ接続へのアクセスが容易な安い土地が少ないため、データセンター会社は世界中を探し回っており、独創性が必要となることもある。新たなデータセンターはテキサス州西部やアフリカに設置された輸送用コンテナの内部や、中米エルサルバドルの火山の隣というケースもある。データセンター運営の米ハイドラ・ホストは今年、1万個のAIチップを使用する施設を運営する計画を巡り、困った状況に陥った。必要となる15メガワットの電力を確保しなければならなかった。同社はふさわしいスペースを見つけるためにアリゾナ州フェニックスからテキサス州ヒューストン、さらにはミズーリ州カンザスシティー、ニューヨーク州、ノースカロライナ州まで探し回ったが、この努力は現在も続いている。