政治に対して、韓国の若者たちが感じていること

 結果はさておき、選挙期間中に印象的だったのは、韓国では若者の選挙への関心の高さだ。若者だけでなく、投票権をまだ持たない中高生、さらには小学生までもが選挙に関する話題を口にしていたり、政党や注目の候補者などをよく知っていたりして、驚かされた。

 さらに、そんな若者たちや中高生を見て気付いたのは、「右派も左派も相手を徹底的に非難し、もっともらしいことを言うけど、結局はどっちもどっち。今のままでは誰が政権を取っても期待はできない」と冷めた見方をしているということである。

 彼らの親世代は40~50代にあたり、民主化運動や高度成長期と韓国が大きく揺れ動く中で多感な時期を過ごしたこともあり、政治への関心が高い半面、非常に偏向的な政治思想を持つ人が多い。そんな親世代の極端かつ偏った政治思想と韓国の現状を目の当たりにして、若者世代は違和感や反感を持ち、反面教師にしているのではないだろうか。

 だからこそ、若者世代は安易に「左派か右派か」という単純な見方をしない上、「左派、右派どちらもただ相手を口撃し、対立感情を無駄に煽るだけのやり方で時代にそぐわない」と分かっているのである。

 良くも悪くも韓国は政治に対する関心が高く、日常で話が出やすい環境にある。政治が身近にあるということかもしれない。韓国の政治状況を見ればそれが一概に良いとは言えないものの、日本の選挙の投票率の低さ、政治への無関心や、政治の話を大っぴらにすることが敬遠されがちな雰囲気、そして現状を見るとなんとも複雑でもどかしい気持ちになるのである。