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40歳からベンチャー企業を起業しようという人を後押しする本連載。今回は起業プロセスの一番の目玉でもある、プロダクトを事業成長させるグロースフェーズの3つのメソッドに焦点を当て、「熱狂的なファンを探し出す」「KPIをデザインする」「PMFのシグナルをキャッチする」の3つの戦術について説明していきます。40代で起業を決意した背景には、これまで勤め先で、プロダクト開発経験や新規事業を成長させた経験があるのではないでしょうか。グロースフェーズではサラリーマン時代に培ったさまざまな経験をどこまで生かせるかも成功の大きなポイントとなります。(アンパサンドCEO 後藤康成)
顧客のインサイトをつかむ「SPFステージ」
アイデアをカタチにする方法について、第4回では動くプロダクトの重要性について説明してきました。さらに第5回では、フィットジャーニーをもとに顧客と課題が適切に捉えられているかというCPF(Customer Problem Fit)ステージから、課題の特定と検証に磨きをかけていき、最も効果的なソリューションを見つけ出すPSF(Problem/Solution Fit)ステージについて説明しました。

起業家の最初のアイデアは「こんなプロダクトがあったら、この課題がソリューションできるのに」からスタートします。SPF(Solution Product Fit)ステージは、そのプロダクトで課題解決できるのかどうかを模索していく実証実験のステージであり、PSFステージで検証されたソリューションをプロダクトとして実現できるかという非常に重要なステージとなります。新規事業の中でもっともエキサイティングなのがSPFステージと言ってもいいくらいです。第4回で説明した「MVP(Minimum Viable Product、最小限の機能を持つ動くプロダクト)」、つまり実際に動くプロダクトで顧客のインサイトをつかんでいきます。
SPFではリーンキャンバスでいう、「(3)独自の価値提案」と製品のコンセプトをシンプルに表した「ハイレベルコンセプト」を「(4)解決策」としてMVPに込めていきます。
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