40歳からベンチャー企業を起業しようという人を後押しする本連載。いよいよ今回からは、新規ビジネスの開発プロセスについて説明していきます。成功したビジネスを振り返り、なぜ成功したのかを分析するのは簡単です。しかしそれはあくまでも参考に過ぎず、これから立ち上げるビジネスをどのように進めて成功に導くかというのは、かなり難儀な作業です。筆者はこれまで50以上の「ゼロイチ」(新規事業の立ち上げ)プロジェクトに関わってきましたが、確実に成功する方法はないことを思い知らされました。しかし、成功確率を高めるためのメソッドはあります。今回は、筆者がゼロイチの時に実践している、効果的な三つのメソッドを説明します。(アンパサンドCEO 後藤康成)
三つのゼロイチメソッドとはなにか
新規ビジネスプランは紙の上や頭の中での計画であって、実現されていない「ゼロ」からの始まりなので「ペーパープラン」と呼ばれます。このペーパープランをどうやって魅力的なビジネスに変えていくか、そしてそのビジネスの成功率をどう高めていき「イチ」にしていくのかは、起業家にとって大きな挑戦です。
新規ビジネスプランを実現させていくには多くのメソッドがありますが、インキュベーターである筆者が日常的に使っている、ゼロイチに効果的な三つのメソッドを紹介します。
一つ目は「フィットジャーニー」で、これはビジネス開発の各ステージを定め、何をすべきかを明確にするメソッドです。二つ目は「リーンキャンバス」で、これは、ビジネスモデルを「見える化」するメソッドです。
三つ目は「CUEM(キューム)」という筆者の所属するキュービックグループ独自の顧客インサイトを獲得するメソッドです。CUEMは顧客の抱えている課題やビジネスモデルを整理し、顧客の深層心理(インサイト)を獲得するためのメソッドです。これらのメソッドをどのように利用し、新規ビジネスの成功率を高めていくのかを詳しく見ていきましょう。