起業を志す人を応援し、やるべきこと、気を付けるべきことを伝えていく本連載。前回は、最近のベンチャー投資環境の変化と、起業する前に準備しておくべきことについて説明しました。今回は「起業家の覚悟」というテーマで、起業してまずぶつかる壁「資金をどうやって調達する?」「妻に反対されたら」について詳しく説明していきます。(アンパサンドCEO 後藤康成)
会社を作ったらすぐに必要になる、重要な知識とは?
起業する、ベンチャー企業を始めるとなれば、まず必要になるのはベンチャーファイナンスの知識です。ベンチャーファイナンスとは、前回説明した企業会計の知識とは異なるものです。計画している事業やビジョンを実現し、成長させるための資金をどのように集めるか、つまり、資金調達の手法やテクニックを指します。
ベンチャーファイナンスを理解するためには、会計や財務の知識だけではなく、会社法を理解することも必要になります。起業家は、会社法というルールブックを片手に、さまざまなファイナンスのテクニックを駆使しながら会社成長のベストプラクティスを進めていくことになります。会社法のカバーする領域は幅広いのですが、その中でも、株式会社の設立に関わる法令理解、株式会社の役割や構成される機関について理解を深める必要があります。
起業に際し、CEOが必ず押さえておくべき基本は、具体的には、
・設立
・定款
・資本
・機関
・取締役の役割と責任
・決算
・新株予約権
などです。そのうえでイグジット(EXIT、出口戦略)であるIPO、M&Aや倒産、清算についても理解するべきでしょう。会社法を学ぶ手段は、書籍やセミナー、オンラインで学べるE-Learningなど多数あります。勉強した上で、成長過程の起業家や株式公開した起業家から、直接経験談を聞くことも重要です。