山口 お金は「生物学的」なもので、「価値と信用の結晶化されたもの」です。それは物理的な「パワー(能力)」になり得ても、根源的な「フォース(強さ)」にはなり得ないのではないかと思うんです。一方で、愛は無条件で言語化できない「生命的な」ものです。これこそが、根源的な「フォース」になり得るのではないか。そう考えると、人間のキャパシティは、「お金」と「愛」の掛け算で決まる気がしています。
自分がいま何を感じているかということを意識的に考えていないと、人はすぐにお金、計算、条件、社会的意義といった「お金」や「頭」の軸に思考が向いてしまうんです。お金や頭の軸と、愛や共感の軸を整理して、コントロールすることが大事なんですよね。
坂之上 素晴らしい。山口さんは、ガンガンお金を稼ぐ世界から、そうではない違う世界を探している人なんですね。
山口 自分が持っているお金に対応するだけの愛の深さを持つことは、尋常ならざる努力が必要だと思います。お金を持っていても愛がない人は、お金の軸が高くて感受性の軸が低い狭い範囲の問題しか解決できません。逆に、お金を持っている人ほど格が求められるのは、自然なことなのかもしれませんね。
次回は4月10日更新予定です。
坂之上洋子さん書籍のご案内
結婚のずっと前
坂之上洋子・著/写真=野寺治孝・著
二見書房・刊
「辛い時って、実はすごく貴重
一番色んな事を吸収してる
きっと心が(スポンジみたいにふわふわな)状態なんだよね」
「Newsweek」誌「世界が認めた日本人女性100人」の一人に選出された坂之上洋子による、恋愛・結婚に関するメッセージ集。人気カメラマン・野寺治孝の写真も併録した美しい本です。
時には優しく包み込んで背中を押し、時に考えさせる厳しい言葉の数々。そのフレーズ、単語の一つ一つが胸に静かに届き、心を揺さぶります。
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なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?
これからを幸せに生き抜くための新・資本論
人は、経験を通して世界を創造する。
お金は、その創造の一要素でしかない。
将来の“正解”が見通せない今、誰もが、ぼんやりとした不安を抱えて生きています。その大きな原因は「変化が重なり、先がよめないこと」。なかでも、グローバル化やIT化によって最も大きく変化したもののひとつが、金融、「お金」のあり方でしょう。「お金」の変化を整理し、どうすれば幸せをつかめるのか、経済的に生き抜いていけるのか、考え方や行動様式をまとめた、未来を考えるための土台を固めてくれる新「資本論」です。