ニューヨーク市マンハッタン地区のウォール街40番地にそびえるドナルド・トランプ前米大統領自慢の超高層オフィスビル。そのビルが米オフィス不動産市場を見舞う世界金融危機以来最悪の不況の嵐に飲み込まれようとしている。この「40ウォール・ストリート」(トランプ・ビル)は63階建てのひときわ目立つビルで、ニューヨーク証券取引所は1ブロックも離れていない。この高層ビルへの投資は、トランプ氏の抜け目のない取引の代表例とみなされてきた。同氏はニューヨークの商業用不動産市場が低迷していた1995年、40ウォールの長期賃貸契約に500万ドル(現在のレートで約7億7000万円)弱を支払った。市場の回復に伴い不動産価値は数年のうちに何倍にも跳ね上がった。トランプ氏にとっては最も価値のある不動産といえるかもしれない。
トランプ「虎の子」ビルにもオフィス不況の波
ウォール街40番地にそびえる超高層「トランプ・ビル」はテナントの撤退が続き、来年にはローンが満期を迎える
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