医師や薬剤師への相談で
持参すべきもの

 石黒医師は、保健機能食品との向き合い方についてこう指摘する。

「もし不調を感じるのであれば、薬を飲んだ方が早いということです。保険適応されている医薬品は膨大な数のデータを取り、なおかつ、副作用も調べ上げて、ようやく認可されているもの。薬によってはリスクがあるのも事実ですが、より厳しい基準で審査されているので、信頼度で言えば、こちらのほうに軍配が上がります」(石黒医師)

 もちろん、サプリメントの摂取自体が悪いわけではない。まずは医師や薬剤師に相談してほしいとしつつ、石黒医師はサプリの使用を検討している人に対して、次のようにアドバイスをする。

「医師や薬剤師の元に出向く際にはサプリメントや健康食品の摂取状況を伝えてください。そして、できれば、簡単で構いませんので、日々の体調を記録したものを持参ください。記録することで、体調に良い影響があるのか否かも分かりますし、医者にとっても適切な判断を助ける資料になります。とはいえ、医者にかかるのは面倒だから、まずはサプリで済ませたいという考えは、よくわかります。その場合は、用法と用量を必ず守り、 多数のサプリメントではなく、必要だと思うものだけに絞って飲むようにしてください。もし、不調を感じたら、すぐに医療機関にかかるようにしてください」(石黒医師)

 お手軽に問題が解決するような気がするサプリメントは確かに魅力的な商品であるが、やはり補助的な食品であり、そもそも飲む必要がない人もいそうである。人によって、体質も違えば、食べているものも違う。

 過剰に摂取している栄養、逆に足りない栄養をまずは把握すること。その人に合うサプリは人それぞれで異なるのだということを理解しなければならない。たまたま見かけた通販で健康食品を買うことは避けたほうが無難であるし、友人・知人のアドバイス、あるいはネットの口コミも「あなたに合う」ことを保証するものではないということだ。

 手軽に健康を手に入れたいという気持ちは痛いほどわかるが、まずは食事や運動、睡眠の質を高めていくことで解決を図るべきだろう。そして、体調が優れないのであれば、自分だけで判断せずに、まず医師や薬剤師に健康相談をすることをおすすめしたい。