サプリメントのイメージ画像サプリメントを「何となく」で選ぶのは危険だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

小林製薬の「紅麹」を原料としたサプリの健康被害問題を受け、改めて、自分が摂っているサプリや健康食品が気になった人も多いことだろう。消化器内科医である湘南いしぐろクリニック院長、石黒智也氏に「サプリメントの選び方」と「機能性表示と特定保健用食品(トクホ)の違い」について聞いた。(取材・文/鳥居りんこ)

サプリを買う前に
やるべきこと

 前回の記事では、サプリに含まれる栄養素を重複して摂取してしまうことで、無意識に栄養を過剰摂取することのリスクを石黒医師に教えてもらった。

 とはいうものの、病院を受診するほどではない「なんとなく不調」を改善するために、サプリメントに頼りたい場合には、どうすればいいのだろうか。「正しいサプリメントの選び方」について、石黒医師に具体的なアドバイスを求めた。

「足りない栄養素を自己判断するのはやめて、きちんと医療機関で検査しましょう。今は、栄養の過不足がわかる血液検査もあります。こうしたクリニックで実施される検査は、一般的な健康診断や人間ドックでの血液検査とは内容が異なります。そのため、タンパク質やビタミン、亜鉛や鉄分などの微量元素の不足による貧血などの発見につながることもあります」

 つまり、なんとなく体調がすぐれないといった場合の原因究明に役立つことがあるということ。さらに、こういった検査は自費で行っているクリニックもあれば、体調不良ということで受診した場合には保険診療で行うケースもあるようだ。

 石黒医師はサプリメントを摂取するときのアドバイスとして、以下のことを強調した。

「自分に足りない栄養素を知らないまま、パッケージのデザインや文言だけを見て感覚で選ぶことはおすすめしません。自分の体に本当に必要な補助食品なのかを、きちんと見極めるためには、血液検査をおすすめします。サプリメントは自分にとって足りないものを補うという考え方を持ってほしいと思います」