グーグルを見くびるな AI競争で生きる強みPhoto:Bloomberg/gettyimages

 有効な攻撃は時に最大の防御になる。

 米アルファベット傘下グーグルは、米オープンAIが2022年後半にチャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」を公表してから1年半の間、おおむね守勢一方とみられていた。生成人工知能(AI)を基盤とするオンライン・チャットボットは、今でもグーグルの売上高と営業利益の大半を稼いでいるインターネット検索事業にとって大きな脅威になると思われた。

 チャットボット「ジェミニ」のつまずきをはじめ、グーグル自身の不手際でその印象は強まった。ファクトセットのデータによると、今年2月のジェミニ発表の数週間後、親会社アルファベットの株価の前年比騰落率はオープンAIに出資している米マイクロソフトを14ポイント下回っていた。