聞き方ひとつで、感じの良い印象に変わる質問の仕方とは?
この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。
本書の読者からは、
「自分の言葉の引き出しが多くなった!」
「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」
「繰り返し読みたい本になりました」
といった感想がたくさん届いています。
相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、好印象につながる確認の仕方をご紹介します。
感じのいい疑問点の伝え方
疑問点を確認するのは、案外むずかしいものです。わからないことをストレートに伝えると、きつい印象になりがちです。
たとえば、
「言ってる意味がわかりません」
相手を突き放したような感じですね。疑問点について聞きたいときは、
「◯◯についてご教示いただけますか」
聞き方ひとつで、感じのよい印象に変わりますよね。
ちなみに、教えてもらう内容が比較的簡単で一時的な場合は「ご教示」、より専門的・継続的な場合は「ご教授」を使います。
疑問点(質問)の切り出し方
質問したい時の切り出し方は、
「1点、お尋ねしてよろしいですか?」
と伝えてみましょう。
「これから質問をします」という意思表明のひと言をはさむだけで、相手の受け入れ態勢が整います。
聞き漏らしてしまったとき
「確認のために○○のところ、もう一度お願いします」
「確認のために」を「念のため」「大事な部分なので」に置き換えてもいいですね。
電話の場合は、「お電話が遠いようで」や「電波が悪いようで」とクッション言葉をはさみましょう。
複数の質問があるときは最初に伝える
ひとつ目の質問に答えてもらってから、「あともう1点……」と続けるのではなく、最初に「2点お尋ねしたいのですが」と伝えましょう。
「今は時間がないから、ひとつだけなら」と返される可能性もあります。「2点お尋ねしたいのですが、15分ほどお時間よろしいですか?」と時間の目安を伝えることも、相手に対する気配りになります。
わかりにくいことを確認したいとき
部分的にわからなかったことを聞くときは、
「◯◯については、△△という理解でよろしいでしょうか?」
このようにゼロから聞き直すのではなく、自分なりの理解を示しつつ、確認をしましょう。
さらに詳しい説明を求めるときは、
「◯◯は△△ということでしたが、□□についてはいかがでしょうか?」
自分がどこまで把握しているのかを伝えた上で、別のわからない部分を加える形で質問しましょう。
教えてほしいときのクッション言葉
やみくもに質問するのではなく、自力でできる限りの努力をしてみたけれど、難しかったという経緯をまず伝えましょう。相手に頼りきりではないという姿勢を示すことが大切です。
・調べてみたのですが
・念のため確認ですが
・自分なりに考えたのですが
こんなクッション言葉を使ってスムーズに会話してみてくださいね。