錦織圭、マリア・シャラポワ、大坂なおみ、ネリー・コルダ……指導した数々の選手を世界トップレベルに導いてきたトレーナー界のカリスマ、中村豊。彼に指導を受けた選手たちは、アスリートとして大幅なステップアップを遂げています。
中村はトレーニングによってのみ身体能力が向上するわけではなく、必要なのは「トレーニング」「リカバリー」「栄養」の3つのメソッドだと語ります。そして、この3つを適切に行えば、一般の人でも身心が健全に整い、若さを持続できると主張するのです。その実践方法を分かりやすく具体的にまとめたのが、中村の初著書『世界最高のフィジカル・マネジメント』です。本連載では同書から「誰もが自宅で簡単にできるフィジカル・トレーニング」を紹介していきます。
筋トレには興味があるがジムに通うのは面倒、という方も多いと思います。そこで今回は、タオル1本あればどこでも簡単にできる効果絶大なエキササイズを紹介します。この方法で股関節から背中周りの筋肉を鍛えれば、見た目にも美しい身体作りができるのです。

タオル一本で効果抜群のエキササイズPhoto: Adobe Stock

ジムに通わなくても自宅で筋トレができる?

 日本でフィットネスクラブやジムに通っている人は、調査によって異なりますがおおよそ10%程度だといわれています。最近は本格志向のフィットネスジムから、低額で気軽に利用できるジムまで様々な形態が広がっていることで、ジム利用率も増加傾向にあるようです。しかし100人がジムに入会しても、1年後に継続して通っているのはたった4人、などというデータも存在します。

 僕がプロトレーナーとして断言できるのは、トレーニング効果を引き上げるのに最も大切なのは「継続性」であるということです。せっかくトレーニングを始めても数ヵ月で辞めてしまうのでは意味がありません。そこでジムに通わなくても自宅で簡単に出来て、効果抜群のトレーニング方法を紹介しましょう。

タオル1本でカラダを美しく保つトレーニング

 ここで紹介するのはタオルを用いて、股関節周辺から背中を鍛えるトレーニングです。この部分の筋肉を鍛えると、背筋の伸びた美しいスタイルに変身できます。タオルは収縮しないので、アイソメトリック(筋伸縮させずに一定の姿勢をキープして負荷をかけるトレーニング)に最適なのです。

 理想は【写真1】を参考に、腰を充分に落とし上半身が床に対して45度になることです。両手でしっかりとタオルを握り、脇を締めます。アゴを引いて、目線は斜め前に据えます。

カリスマトレーナーが教える「タオル1本」で効果抜群のトレーニング1【写真1】腰を充分に落とし上半身は床に対して45度に

 鼻呼吸で息を吸い、ゆっくりと息を吐きながらタオルを引きます。引っ張る意識よりも、股関節の伸展を中心に下半身から力を発揮するイメージで行ってください。タオルを引いた状態で息を5秒吐き、力を抜いた状態で息を5秒吸う、これを10回1セットとして2~3セット繰り返します。【写真2】のようにエキササイズバンド(ゴム状のバンド)を用いて膝を外側に引っ張るとより効果的です。

「タオル1本」で効果抜群エキササイズバンドも併用したトレーニング【写真2】エキササイズバンドを用いて効果アップ

 なお、力を最大限に発揮するためには、【写真3】のように膝が内側に傾くことは避けてください。

「タオル1本」で行うトレーニングのNG姿勢【写真3】膝が内側に傾くのはNG

 このトレーニングなら簡単に実行できるでしょう。写真を見て正しいフォームで3週間続ければ、必ず身体の変化を実感できるはずです。

(本原稿は中村豊『世界最高のフィジカル・マネジメント』から一部を抜粋・編集して掲載しています)