円買い介入実施も円安再び
投機の対象になる日本
日本は投機筋にもてあそばれる国になった。
円ドルレートは、日本銀行が4月の金融政策決定会合で「緩和維持」を決めると、4月29日に34年ぶりに1ドル160円台まで円安が進んだ後、政府の2度の円買い介入実施で、いったん151円台まで戻したが、連休明け以降、再び円安の勢いが増している。
長年の緩和策で企業や産業の新陳代謝が起きず経済衰退が進んでいる上、財政赤字がGDP(国内総生産)比2.5倍に膨れ、日銀が超低金利で支えないと財政がもたない。米国のFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが遠のく一方、恒久的な税源がないまま防衛費倍増や少子化対策が打ち出されて、国債が増発される中、日銀が金融緩和を止められずに金融政策の柔軟性を失っていることは、多くの人々に知られている。
この間の為替レートの推移を見ると、「投機筋」が政府や日銀のこうした足元を見透かして動いているといっていい。
為替介入の限界も明らかだ。この先もさまざまな材料と機会を狙って市場の円安投機は続くだろう。