多くの企業が1世紀以上にわたり、複雑で興味深い難題に挑んできた。水でふやけず、飲み物を新鮮に保つ紙製のボトルをどう作るか、ということだ。企業は現在、かつてないほど目標に近づいているという。紙製ボトルのデザイン試作に取り組んでいるのは酒造大手の英ディアジオや仏ペルノ・リカール、日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などで、店頭で自社ブランドを目立たせたり、プラスチックの使用を懸念する消費者を取り込んだりする効果を期待している。ガラスの製造に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減にもつながると見込む。ただ、紙で液体を保持するのは本質的に困難だ。これまで試作された紙製ボトルは、漏れを防ぐために内側にプラスチック製のバリアーを必要とした。それ以外にも、風味を損なわないようにすることや、炭酸飲料の炭酸が抜けてしまわないようにすることなど、企業はさまざまな問題で四苦八苦してきた。