近年、「会社の飲み会に行きたくない」若手が増えているという。
「時間外労働」「残業代が出ない」「気遣いが面倒」…など、様々な声が聞かれる。
しかし一方で、面倒な雑務の代名詞である「ビジネス上の食事会」や「幹事の業務」に、
前向きに取り組まないと置いていかれる」と考えている若手社員が増えていることもまた事実。
新刊『ビジネス会食完全攻略マニュアル』は、そういった若手社員に支持されている一冊だ。“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「食事会での実践的な振る舞い」を紹介した本書は、発売1ヵ月で2.1万部を突破した。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回はその著者yuuu氏に聞いた、「若手と飲み会に行った時に注意すべきこと」を紹介する――。

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飲み会の「メニュー注文」は難題

社内飲み会は結局、気を使う。

中でもよくある悩みが「メニュー注文」である。特に上司と部下の関係であれば、自分が食べたいものばかり頼んでしまうのも気が引ける。しかしここでよくありがちなのが、逆に上司がすべてのメニューを頼んでしまって、「部下の好みを聞かない」スタイルだ。上意下達な社風では受け入れられやすいかもしれないが、これは現代においては避けたほうが無難だろう。「全然自分の好みのものが食べられなかった」と好感度の低下につながりかねないし、そういった行動が人柄の評価を決定づけてしまって、部下と上司の関係にヒビが入りはじめるきっかけになることすらあり得るのだ。

しかも、今日社内飲み会で好感度が上下した相手と、明日もあなたは仕事をする。職場で減点されるならまだしも、「職場の場外戦」とも言える食事会で減点されるのは悔しかろう。

食べ物の好みほど、意見が多様に分かれるカテゴリもない。世代間にギャップがあれば食の好みは当然違うし、アルコール耐性も人によって異なる。

参加者は、徹底的な「ゲストファーストの徹底」が求められていると言っても過言ではないだろう。

「役割分担方式」がオススメ

多くの人が悩んでいるこのメニュー注文は、人数が少ない場合には「役割分担」方式がお勧めだ。

「ゲストファーストの徹底」の原則に沿うとすべてゲストに決めてもらうべきだと思うかもしれないが、それはそれでゲストは気を使う。そこで、「せっかくの飲み会だから、メインは◯◯さんに決めてもらいたいな! 代わりに前菜は、1つずつ選んで頼もうか」のようにスマートに誘導しよう。これにより「共同作業感」を演出しつつ、参加者で選んだメニューというストーリーが自然にデザインされることとなる。

なお忘れがちであるが、オーダーする際はゲストの注文内容を先に伝えることを意識しておこう。そういった細やかな所作の一つひとつこそがゲストファーストの徹底につながる。

(本記事は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)