機械に強い雅信さんは蒸気式甑(こしき)を自ら設計し、醸造機器も使いやすく改造。「米も手作り、機械も手作り」と言って笑う。また「少子高齢化の国内より、力を入れるのは海外」と、15年前から年間の3分の1近くは海外出張し、輸出先は20カ国以上。冬季に海外の飲食関係者が酒造りの研修に訪れる。蔵は清潔で明るく、働きやすい職場には若い女性も多い。「雅山流」の名は、近所の桃源院に通い、禅用語辞典で知った「山流」から。「山も大きく見れば動いている。固定観念にとらわれない酒を醸したい」と命名。さらに「裏雅山流」に「超裏雅山流」までを展開し、雅山流の季節の酒だけで13種類以上。雅信さんの発想は止まらない。

新日本酒紀行「雅山流」 雅山流
●新藤酒造店・山形県米沢市大字竹井1331●代表銘柄:雅山流、裏雅山流、超裏雅山流、泉氷鑑、真泉氷鑑、千山万水、九郎左衛門、羽陽富久鶴●杜氏:新藤雅信●主要な米の品種:出羽燦々、出羽の里
新日本酒紀行「雅山流」酒蔵外観 Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「雅山流」自社田の出羽燦々 Photo by Shindo Shuzoten