安達太良山の麓で醸す、全てが木桶造りの吟醸酒
全量木桶仕込みで瓶貯蔵を行い、金属製タンクは一本もない稀有な酒蔵が、福島県二本松市の人気酒造。蔵元の遊佐勇人さんは、奈良・吉野林業の密植や下草払い、間伐により真っすぐな木材を育てる400年の育成技術に感動し、「酒造りは杉の容器ですべきだ。良い酒になり価値も上がる」と木桶に替えた。ただ、木桶は使わないと乾燥して漏れの原因になる。そこで通年醸造を決めると、設備の稼働率が上がり、雇用が増え、効率の良い酒造りとなって経営も安定した。鮮度の良さも自慢だ。「酒蔵の正常進化した姿です」と勇人さん。