「2歳のネット利用率」は6割!“ネット漬け”の子どもに現れる「顕著な異変」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

乳幼児がぐずっているときや、走り回ろうとするときなど、タブレットは育児家庭の心強い味方だ。与えられた子どもは一心不乱に、ネット動画やゲームに集中してくれる。だが、子どもへの深刻な影響が懸念される事態が起きているという。※本稿は、宮本さおり編著・大楽眞衣子著『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド:親と子のギャップをうめる』(笠間書院)の一部を抜粋・編集したものです。

乳幼児でも見られる
ネット依存の傾向

 オムツやミルクと並んで、スマホ・タブレットは令和育児の必須アイテムです。予防接種の管理や育児日記もアプリで完結できます。待ち時間や長距離移動時など、子どもに静かにしていてほしい時のお助けアイテムでもあります。私も育児中はずいぶん助けられました。

 デジタル機器はすっかり暮らしに溶け込んでいますが、親が使い方・与え方を誤ると、その先に待っているのは抜け出せない泥沼です。ひとたびネットの世界にのめり込むと、楽しいはずの子育てが100倍も1000倍もつらくなってしまいます。

 ここで問題です。インターネットの利用率が6割を超えるのは何歳からでしょうか。

 答えは2歳です。

 子どものインターネット利用率を調べた内閣府の調査(令和4年度、執筆時最新データ)では、2歳で6割を超えています。1歳でも約3割が利用しています。

 乳幼児から楽しめるゲームアプリもあり、小さな手でスマホ画面を上手にスワイプし、ゲーム機のボタンを操る姿にはいつも驚かされます。動画やゲームを通して覚える言葉や遊びもあり、親が正しく与えていれば心配はありません。

 しかし、乳幼児に対し、必要以上に動画を見せるのは心配です。「静かにしてくれるから」と外食先や病院でデジタル機器を渡すことも多いでしょう。在宅勤務が増えたため、会議中のぐずり予防策としても大変ありがたいアイテムです。私もよく利用していました。

 しかし求められるがままに与えてしまうと、「動画を見ながらでないと園服を着てくれない/寝てくれない/ごはんを食べてくれない」となり、生活にネット時間がずるずる入り込んできます。

 あまり知られていませんが、乳幼児でもネット依存傾向に陥ることはあります。次々に刺激を与えてくれるネット動画は小さな子どもも大好物。子どもが1人で毎日何時間も使う習慣がつくと、今度は取り上げることが難しくなります。

「タブレットを隠すと、取り憑かれたように何時間も家中を探し回る」「ちょっとでも取り上げると悲鳴を上げて泣き叫ぶ」と親が困り果てる事例もあります。