『おじいちゃんが教えてくれた 人として大切なこと』という一冊の本が刊行される。手の付けられない乱暴な子に育った著者が、思春期の頃、おじいちゃんに教わった「人生の教訓」について書いたものである。そして実は、タイトルにある「おじいちゃん」とは、かの有名な「ガンジー」のことなのだ。12歳だった孫の人生を変えたガンジーの教えとは? 世界中の人々が「自分」と向き合うきっかけとなった本書の邦訳を記念して、その一部を特別に公開する。

ガンジーが孫にだけ教えた「幸せになる」ための絶対ルールPhoto: Adobe Stock

「みんながそうしてるから」をやめる 

 ただ他人を喜ばせるためだけに、自分の生き方を決めるのは間違っている。それを私は、バプジ(「祖父」の意味)から教わった。周りに合わせているだけでは、変化を起こすことも、世界をよりよい場所にすることもできない。

 大企業で働く人の多くは、毎晩遅くまで会社にいて仕事をしている。それが自分の役割だと思っているからだ。

 しかし、それは本当に会社への貢献になっているのだろうか? 自分自身や家族のための時間を大切にしながら、会社での役割もきちんと果たす方法もあるのではないだろうか?

 人はよく、みんながそうしているからという理由で、自分が幸せになれない道を選んでしまうことがある。そうならないように注意しなければならない。

 多くの人が物質的な豊かさを追い求めるのも、広告やテレビ、映画、ソーシャルメディアの影響を受けて、それが正しいと思い込んでいるからだ。

 私たちも心の奥底では、豪邸や高級車を手に入れても、本当の意味で幸せになれないことはわかっている。それでも周りの目が気になって、毅然とした態度で「私は他のものを求めている」と宣言することができないのだ。

(本記事は、『おじいちゃんが教えてくれた 人として大切なこと』(アルン・ガンジー著、桜田直美訳)の一部を抜粋・編集したものです)