欧州中央銀行(ECB)は6日、現在の金利サイクルの中で利下げを開始した先進国金融当局の中で最も重要な存在になった。ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、今回決定した利下げがユーロ圏のリセッション(景気後退)のリスクを抑制すると考えているが、この決定によって他のリスクが生じることになる。
ECBは、主要政策金利を0.25%引き下げて3.75%とした。危機の広がりを背景としない政策金利の引き下げは、ECBの20年以上の歴史の中で初めてだ。ラガルド氏は今回、危機の火消しのためではなく、ECB独自の経済モデルで示されたインフレ率の低下継続見通しに基づいて利下げに踏み切った。