クレーマーから逃げずに対応することが、最大のクレーマー対策
そこからはお客様に何を言われても、
「彼女の責任ではありません。私どもの教育が至らなかったのが原因です。お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません」
と謝り続けました。
1時間頭を下げ続けた結果、お客様はあきらめてその場を立ち去り、一件落着しました。
でも、同時に妙な笑いがこみあげてきました。
「あのお客様は何のためにこんなに時間を使っているのだろう。こんな時間の使い方しかできないなんてすごく不幸だな」
と思ったからです。
担当部長は、
「そのくらいの気持ちでないとクレーマー対応はできません。おかしくて笑ってしまったのは、三浦さんが逃げずにがんばった証拠です」
と言ってくれました。
「ものすごく嫌な思いをしたら、おかしくて笑ってしまう」という体験をしたのをきっかけに、クレーマーから逃げたいという気持ちは一切なくなりました。
不思議なことに、ビクビク逃げ回っているときはクレーマーがくるのに、逃げなくなったらクレーマーは現れませんでした。
この一件で、「クレーマーから逃げずに対応することこそ、最大のクレーマー対策なんだ!」と勉強したのです。
私がいたら全部引き受ける。でもいなかったら、社員がパート・アルバイトを守って!
私はスタッフ全員に、クレーマーから逃げないことの大切さを伝えました。
社員にはもちろん、売店に立つパート・アルバイトにも「とにかく逃げないで『申し訳ございません』と頭を下げなさい」と常日頃から言いました。
とくに社員には、
「私がいたらクレーマーは全部引き受ける。でもいなかったら、パート・アルバイトを守ってちょうだい。逃げずにがんばったら、最終的には笑ってしまうくらい面白くなるから」
と自分の体験を伝えました。
その結果、クレーマーから逃げる社員はいなくなり、みんながんばって対応するようになりました。
こうしてスタッフ一丸となってクレーマー対応をしていると、クレーマーはあまりこなくなりました。
この店ではどんなに粘っても無駄ということに気づいたからでしょう。