登場人物の行動も発言も
登場人物が決める
「小説の登場人物が、次に何をして、どんなことを言うのかは、作家が決めるのではなくて登場人物が決めること」(17年9月26日号「婦人公論」)、登場人物の行動の理由を探る中で「そこにどんな物語が埋まっているのかを、作者自身もが掘り下げていく」(22年9月号「小説すばる」)という池井戸氏が、今の書き方を決定づけた「記念碑的な一冊」と位置付けるのが『シャイロックの子供たち』。短編が組み合わさって完全犯罪の構図が浮かび上がる。
新連載「ブティック」の主人公は熱き若手銀行員の雨宮秋都だ。ニューヒーローがどう困難に立ち向かうのか目が離せない。