なぜ池井戸作品に魅せられるのか
Photo by Yoshihisa Wada

安芸高田市長を務めてきた石丸伸二氏は、首長と議会のなれ合いを改革するために、歯に衣(きぬ)着せぬ発言で一躍有名人となった。その石丸氏は三菱UFJ銀行出身の元バンカーで、池井戸作品の大ファンでもある。どのようなところに魅せられているのか、話を聞いた。

「恥を知れ!」発言は
池井戸作品を参考にしていた!

 広島県安芸高田市長を務めてきた石丸伸二氏は、2006年に三菱東京UFJ(現・三菱UFJ)銀行に新卒入行し、支店勤務を経て為替アナリスト、米国勤務を経験した元バンカーだ。

 20年に市長に転じてからは、安芸高田市議会では首長と市議会のなれ合い状態を解消するために、事前の根回しなどの旧弊を次々と打破する姿勢を貫いてきた。そして22年6月の、市議会に対して「恥を知れ! 恥を!という声が上がっても、おかしくないと思います」という発言で、一躍有名人となった。

 そんな石丸氏は、銀行員時代から池井戸作品の大ファン。「半沢直樹」シリーズや「花咲舞」シリーズなど、池井戸作品の代名詞と言われる作品は読破したという。「恥を知れ」発言の際も、半沢直樹をはじめ、池井戸作品に出てくる主人公の決めぜりふを参考にしたと明かす。

 銀行を経て、今は政治家として活躍する石丸氏は、池井戸作品のどのようなところに魅せられているのか。次ページでインタビューをお届けする。