中国の新エネ製品「過剰生産」はG7の新たな脅威!?中国製品排除は両刃の剣Photo:NurPhoto/gettyimages

G7共同声明で「過剰生産」をけん制
保護主義強化で「落とし穴」も

 5月23日からイタリア・ストレーザで開かれていたG7財務相・中央銀行総裁会議では、中国製の電気自動車(EV)や太陽光パネルなど新エネルギー関連製品が世界市場で急速にシェアを拡大させている「過剰生産問題」が新たな課題として取り上げられた。

 共同声明では、中国の非市場的な政策や慣行が電気自動車などの過剰生産をもたらし、各国市場に流入、G7各国の労働者や産業に対して経済的な強じん性を損なっているとの懸念が示され、「公平な競争条件を確保するための措置を講じることを検討する」と、中国を強くけん制した。

 中国新エネ製品のシェア拡大の背景には、巨額の補助金投入や安い労働力、緩い環境規制によるコスト競争力があるが、中国政府は、生産を抑制する考えは毛頭ないようだ。「過剰生産問題」は、G7と中国との新たな対立の火ダネとなる可能性がある。

 だが先進国側にとっても、中国新エネ製品排除は別のリスクを抱える懸念がある。