「身体能力を向上させるために必要なのは『トレーニング』『リカバリー』『栄養』の3つのメソッドです」と語るのは、大坂なおみや錦織圭ら数々の選手を世界トップレベルに導いたフィジカル・トレーナー中村豊。この3つを適切に行えば、誰もが身心を健全に整えられるとして実践方法をまとめたのが『世界最高のフィジカル・マネジメント』です。本連載では同書からさまざまなメソッドを紹介していきます。
皆さんのなかには、忙しくてゆっくり朝食を摂る時間がない人もいるかもしれません。しかし、1日の始まりに適切な栄養素を補給するのは、身体にとって非常に大切なことです。そこで注目すべきが「スムージー」。簡単につくれてすぐ飲めるし、消化もよく身体に負担をかけません。そのうえ栄養価も高い最強の朝食なのです。トップアスリートも愛飲するスムージーのレシピを特別に紹介します。

トップアスリートも愛飲するスムージーPhoto: Adobe Stock

カラダをキレイにしたいならスムージーが最適

 1日の食事のなかで朝食は最も重要です。起床時は多くの栄養素が枯渇しており、目覚めた身体は軽い脱水症状も起こしているからです。それを補う完全食こそがスムージーです。

 日常の食事で特に不足しがちなのがビタミンとミネラルです。これらの栄養素は健康を維持し、身体を瑞々しく美しく保つのに欠かせません。ビタミン・ミネラルをより効率的に摂取できるのが「緑黄色野菜」です。しかし、日常の食事で緑黄色野菜を豊富に摂るのはなかなか難しいでしょう。

 スムージーであれば、簡単にこれらの野菜を体内に摂り入れることができます。また、スムージーは液体なので身体に負担をかけず、吸収が良くて即効性があります。身体の疲れや老化を防ぐ抗酸化物質は、緑黄色野菜や淡色野菜に多く含まれています。

 トップアスリートにもスムージーの愛飲家は多くいます。僕が指導した大坂なおみもシャラポワも、毎朝必ずスムージーを作って飲んでいました。アスリートとしてトップを極める、また身体をキレイに整えたいと願う彼女たちにとって、スムージーは必需品でした。

 僕は多くのアスリートと研究を重ねながら一緒にスムージーを作ってきました。そんな中で生まれたスペシャル・スムージーを紹介したいと思います。

トップアスリートも愛飲するスムージーのレシピ

 これからご紹介するのは、大坂なおみやマリア・シャラポワといったトップアスリートが愛飲している「グリーン・アップル&アボカド」と呼ばれる、とっておきのスムージーのレシピです。

 材料は以下の通り。これらをミキサーにかけるだけで、簡単にスペシャル・スムージーが完成します。

スペシャル・スムージーグリーン・アップル&アボカドの材料(写真:筆者提供)

□ グリーン・アップル(青リンゴ、1個)
□ アボカド(半分)
□ ほうれん草(ひと握り)
□ ココナッツウォーター500ml(無ければ水でも大丈夫)
□ チアシード(大さじ2杯)
□ オリーブオイル(大さじ2杯)

 リンゴに含まれる水溶性食物繊維のペクチンが消化を促進させ、胃酸のバランスを整えてくれます。アボカドに含まれる不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにしてくれます。

とっておきのスムージー完成したグリーン・アップル&アボカド(写真:筆者提供)

「グリーン・アップル&アボカド」を毎朝飲むことで、カラダは内側からキレイになっていくのです。

(本原稿は中村豊『世界最高のフィジカル・マネジメント』から一部を抜粋・編集して掲載しています)

中村 豊(なかむら・ゆたか)
ストレングス&コンディショニングコーチ
1972年生まれ。高校卒業後アメリカにテニス留学。スポーツトレーナーという職業に興味を持ち、カリフォルニア州チャップマン大学で運動生理学、スポーツサイエンスを学ぶ。1998年、サドルブルック・テニスアカデミーのトレーニングコーチに就任。2000年、女子テニスプレーヤー、ジェニファー・カプリアティのトレーナーに就任し、翌年世界No.1に導く。2004年よりIMGアカデミーに所属し、錦織圭のトレーニングを14歳から20歳まで受け持つ。2011年よりマリア・シャラポワの専属トレーナーに就任。シャラポワの黄金期を7年間支える。2020年6月、大坂なおみの専属トレーナーに就任。わずか2ヵ月でスランプに陥っていた大坂を再生させ、全米、全豪と立て続けのメジャータイトル奪取に貢献。世界のプロスポーツ界で最も注目されるフィジカルトレーナーのひとり。トレーナーとしての豊富な経験と知識を生かし、一般の人に向けた入門書『世界最高のフィジカル・マネジメント』を上梓した。